​ラオス支援

新体制でラオス短期支援実施

ラオス短期支援活動の実施について

 

 現在、当会の諌山(理事長)、若松(副理事長)、関(理事)、立岡(会員)の4名が2019年9月10日夜にラオスに入り、翌11日にはラオス赤十字(Lao Red Cross)の代表Khammouang Vongsa氏と面談し、現状についての説明や未来に向けての意見交換を行いました。

 

今回の活動は、ラオスの現状を把握するとともに初歩的な技術支援に特化した2日間の活動となっています。初日に当る11日には、現状把握の一環としてLao Red Crossとは異なる団体(ビエンチャンレスキュー)の視察を実施しました。2日目(12日)と3日目(13日)については、Lao Red Crossの救急隊として活動しているボランティアスタッフに外傷とCPR・AEDといった基本的トレーニングを実施し非常に短期では有りましたが、今回の支援活動のメニューの全てを終えることが出来ました。派遣メンバーは15日朝に帰国しました。

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​防ぎえる外傷死

途上国で増える「防ぎえる外傷死」。

 

交通事故などのケガで、本来なら助かるはずの命が失われることを「防ぎえる外傷死」と言います。救急隊が未熟で高度な医療システムのない途上国では、この悲劇的な事故が数多く存在します。

 

途上国では、交通事故で毎日多数の尊い命が失われています。このなかには、日本のように事故発生から、いち早く救急隊・救助隊が現場に到着し、必要な観察と処置をおこない、適切な医療機関に迅速に搬送され、適切な救命処置がなされていれば助かった命、防ぎえる外傷死が多数含まれているのです。


急速な経済成長による、交通網の整備と乗用車やバイクの増加により、深刻な交通事故が増加し、死亡者数も増え続けることが想定されます。

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​未発達な法整備

東南アジア諸国を巻き込む、急速な経済成長はラオスも例外ではありません。首都ヴィエンチャンは都市化・観光化が進み、交通網が発達して整備も進んでいますが、それにともなうはずの法整備が未発達なため、信号無視や逆走、バイクのノーヘル運転などが多いです。

 

地方では、未整備な道路にもかかわらず交通量の急増や物流の高速化などが要因となり、深刻な交通事故が頻発。死傷者数が増え続けています。

日本や先進国では、車両の構造や安全装置の進化、AIや自動運転技術の普及により、今後も減少の一途をたどると予測される交通事故死亡者数ですが、法整備が未発達な東南アジア諸国では、今後、過去に日本が経験した「交通戦争」を超える被害が予想されているのです。

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​ラオスの救急隊

しかし、ラオス国内の救急医療サービスの不足は深刻な状態で、事故現場から外傷患者を病院に搬送するまでの「病院前救護」、病院に到着してから治療を施すまでの「病院内医療」は、ともに多くの問題を抱えています。

 

その課題の困難さから政府に改善の動きは無く、NGOやボランティアに頼っているのが実情で、そのひとつがラオス赤十字救急隊です。

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​ラオスの赤十字救急隊のいま。

ラオス赤十字救急隊のいま。

 

ラオス赤十字救急隊は、ラオス国内で災害支援、防災、救急を担う団体です。しかし、現在も、救急隊の活動はボランティアで行われており、救急活動や、人命救助に必要な訓練が実施されておらず、日本では当たり前になっている、病院へ運ばれるまでの救護体制がラオスにはありません。

 

救急車は患者を運ぶだけで、応急処置ができる資器材も十分に搭載されていないため、搬送中の応急処置や容態変化にも対応ができないのです。

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​いま、必要な支援。

いま、必要な支援。

 

日本のように、事故発生からいち早く救急隊・救助隊が現場に到着し、必要な観察と処置をおこない、適切な医療機関に迅速に搬送され、適切な治療行為がなされていれば助かった命、本来助かったはずの命「防ぎえる外傷死」が多数含まれています。

 

この「防ぎえる外傷死」を減らすため、あるいは撲滅するためには、以下ふたつが重要な要素であるといわれています。

 

① 外傷医療システムの整備 (搬送手段や医療施設の質の確保など)

 

② 救急隊員がおこなう病院前救護の知識・技術の標準化 (その国の実情に適応したもの)

 

これらは、日本では約30年前から草の根的に全国に広まり、交通事故死亡者数の減少、救急隊による救護体制の向上、救命センターやドクターヘリなど医療システムの整備に、大きな影響を与えた概念です。しかし、救急隊が未熟で十分な医療システムのない途上国では、未だに多くの、この悲劇的な「防ぎえる外傷死」が存在し、その数すら正確にわからないのが現状です。  

 

このような状況で私たちは、ラオス赤十字の強い要請を受け協議を重ねた結果、ボランティアで活動しているラオス赤十字救急隊員に対して、上記②に該当する「救急隊員がおこなう病院前救護の知識・技術の標準化」を目標に支援活動を展開していくことを決めました。今回は、その最初の一歩です。

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ラオス版 「病院前救護体制の確立」を目指す挑戦がはじまる。

ラオス版 「病院前救護体制の確立」を目指す挑戦がはじまる。

 

ラオス赤十字救急隊員は先述のとおりボランティア隊員で組織されており、専門的な医療知識はもとより、応急手当に関する知識も日本の一般市民と変わらないのが現状です。

 

ラオス国内で災害支援、防災、救急を担う団体であるラオスの赤十字救急隊へ技術を伝え残していく挑戦が始まります。

 

私たちは継続的に支援することで、知識と技術の向上を目指し、救急隊員としての自律と自覚を促すため、今回の渡航では以下の項目を実施します。

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第1ゴール

■ イラスト、写真を多用したアトラス・テキストを作成します。専門的なものではなく、手技を中心に理解しやすい内容のラオス版「救急隊員標準テキスト」です。

 

■ 呼吸、循環、意識など、生理学的評価方法と、補助換気、人工呼吸や止血など処置に対する座学とシミュレーションをおこない、命の危機にある負傷者を助ける技術を伝えます。

 

■ バラバラに配備された資器材を整理し、外傷患者に対する基本的な脊椎運動制限や固定処置などの技術を伝えます。

 

渡航期間:2019年12月21日~2019年12月28日

支援先:ラオスの赤十字救急隊

支援地:Setthathirath Avenue,Impasse XiengNiengNhune PO Box650,Vientiane Capital,Lao PDR (赤十字 事務所)

渡航メンバー:医師、看護師、救急救命士、救急隊員、救助隊員、消防士、消防団員など、外傷初療を体現できる会員。

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第1ゴールへ到達した際には、私たちは次のゴールとして以下を目指します。

 

■ 心電図モニターなど救急資器材の整備

 

■ 救急プラス救助=車両からの救出に必要な技術や資器材(油圧救助器具など)の整備

第2ゴール
ひとりでも多くの命を救うために。「持続可能な開発目標(SDGs)」を実践する団体へ。

ひとりでも多くの命を救うために。
ラオス国内において「持続可能な開発目標(SDGs)」を実践する団体へ。

 

活動を続けて約15年。JPRは、このラオスプロジェクトを通して、「持続可能な開発目標(SDGs)」を実践していく団体として進化していくことを決意しています。


2015年に合意されたSDGsの目標3、ターゲット6には、以下のような提言があります。

 

「2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。」

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持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げられた目標です。世界中の「誰ひとり取り残さないこと」を目指し、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本も積極的に取り組むことが期待されています。

途上国に救急救助システムが構築し、ひとりでも多くの命が救われる日が来ることを願って

JPRは、これまでの経験を生かし、救急救助、消防技術を伝える技術支援のみならず、バイク乗車時のヘルメットや、乗用車のシートベルトの着用義務化から、事故にあわない、当事者にならないための教育支援など、SDGsを実践する団体を目指し、以下に取り組んでいきます。

 

① 増え続ける交通事故に対して、ラオス赤十字救急隊による病院前救護体制を確立するため、救急・救助隊員の育成に取り組みます。

 

② 日本では交通網の整備や車両構造の変化により、油圧救助器具を使用した挟まれ事故の救助が減少していますが、ラオスでは交通事故救助には欠かせない資器材として必要性は高く、それら資器材の充実と隊員への技術指導をおこないます。

 

③ ラオス赤十字を通じて、国民の交通安全に対する意識の向上と交通安全対策を進めます。

*ヘルメットの着用やスリッパでバイクに乗らないなど、基本的なことから着実におこなう必要があります。

 

 

また、SDGsの目標3、ターゲット8には、「すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス」、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)※の達成」を目指しています。

 

日本のように医療体系が頑なに構築されていない、ラオスの医療を積極的に支援することで、包括的なプライマリ・ケアの実現や、ラオス国内のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成のために、日本の保健・医療に関する人材、知見及び技術を活用していくことを目指しています。

 

今回のラオスへの支援は、ラオスの救命現場の課題に本質的に切り込む第一歩なのです。

 

途上国に救急救助システムが構築し、ひとりでも多くの命が救われる日が来ることを願って、みなさまもその仲間になっていただけませんか。ご支援をよろしくお願いいたします。

 

※(UHC)とは「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」ことを意味し、すべての人が経済的な困難を伴うことなく保健医療サービスを享受することを目指しています。

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